人見知りなミャンマー人

中国:瑞麗(2000年9月27日〜10月1日)



私はミャンマー人とは相性が良くなかった。

以前ミャンマーに行ったとき、ひどくストレスがたまった(アジアの散歩道』参照


姐勒の国境ゲート

私は嫌いな国は作りたくない。今回、このミャンマー国境の町瑞麗に来たのは、そのリベンジという気持ちもあった。

街にはミャンマー人の姿が多く、独特のビルマ文字もよく見かける。

利民賓館のドミに荷物を降ろし、早速ミャンマー人のいるレストランに行ってみた。若い店員が英語のメニューを探しているがなかなか見つからず、ヘラヘラと笑っている。このヘラヘラが一番神経を逆撫でする。

昼食後、国境の姐告へ行った。国境ゲートがある。


柵の向こうはミャンマーだ
 

姐告の街を歩いていると歩道のすぐ脇に鉄柵が張り巡らされていた。この柵の向こうはミャンマーだ。海を越えなければ県境すらない北海道で生まれ育った私は国境に特に強い好奇心をもっていた。

 

瑞麗の街は夜になると、たくさんの屋台が立ち並んだ。目移りするほどの食材が並ぶ。

見渡しながら歩いていると、ひとつの看板が目に留まった。そこには“狗肉”と書いてある。犬肉だ。いつか食べてみようと思いながら、常にチャンスを逃がしていた。


姐勒金塔

店に人が「これが美味しい」と勧めてきた、生姜と醤油で皮ごと煮込んだものを注文した。癖はない。豚を食べているような感覚だ。

食べ終わった後に、更に屋台を散策した。屋台は見ているだけでも楽しい。

ジュース屋がたくさん並ぶエリアがあった。その中に顔にタナカ(ミャンマー人がよく顔に塗っている粉)を塗ったミャンマー人の小姐がやっているジュース屋台があった。そこでパイナップルジュースを注文した。小姐は表情を変えずパイナップルを切りジューサーに入れる。

 

翌日、ミャンマー寺院の姐勒金塔へ行った。

姐勒金塔へ向かって歩いていると、草むらから蛙が飛び出してきた。そしてそのすぐ後を蛇が追いかけている。幸い車に驚いて蛇が引き返し蛙は命拾いしたが、あまりの生々しさに鳥肌が立った。

姐勒の町はほとんどミャンマー人のようだ。ロンジー(ミャンマーの巻きスカート)を穿いた人が行き来している。


漢字とビルマ文字が併記されている

この日の夜も昨日のジュース屋台へ行った。

席に座ってジュースを飲んでいると、ほかの客が注文したレモンジュースを余分に作って、無表情のまま私に一杯くれた。

その翌日、今度はゴマ・ジュースをサービスしてくれた。

 

洗濯物が乾かず、出発を一日延期した。この日は一日天気が悪い。

夕食で蟹をたらふく食べた後、いつものようにジュース屋台へ行く。誰も人がいない。一回りしてまた行ってみることにした。今度はいた。

すると、4日目にして初めて話し掛けてきた。

「どこの人?」中国語だ。

「日本人」ribenrenが通じない。ズーベンレンも通じない。ミャンマー語で“日本”は…

「ジャパン」

「あー、日本人。私はミャンマー人よ。ミャンマー語はわかる?」

「ミンガラーバ(こんにちは」これくらいしか分からない。

その時、人見知りな彼女はやっと笑顔を見せた。


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